
フォーカス
2003 年 1 月 2 日 8-11
被写界深度と予測駆動フォーカス
カメラは、ピント合わせを自動的に行う予測駆動フォーカスを
備えています。ここでは、ピントと被写界深度の関係、および
予測駆動フォーカスについての基礎知識を説明します。
被写界深度
ピントを合わせているときは、被写界深度を考慮する必要があ
ります。ある点にピントを合わせると、その前後にもピントが
合う範囲が存在します。被写界深度とは、そのピントの合う範
囲のことを指します。被写界深度は、撮影距離、レンズの焦点
距離、絞りによって変化します。
レンズの絞りを絞る(f 値を大きくする)と、被写界深度が深
くなり、ピントが合う範囲が前後に広くなります。逆に絞りを
開く(f 値を小さくする)と、被写界深度が浅くなり、ピント
が合う範囲が狭くなります。
また撮影距離が近くなるほど、焦点距離が長くなるほど被写界
深度が浅くなり、撮影距離が遠くなるほど、焦点距離が短くな
るほど被写界深度が深くなります。被写界深度は、ピントを合
わせた点の手前に浅く、奥に深くなります。
備考: 被写界深度は、プレビュー ボタンを使用して確認でき
ます(2-20 ページ参照)。
予想駆動フォーカス
以下のとき、カメラが動いている被写体を認識すると、予測駆
動フォーカスが起動します。
• フォーカスモードがシングル AF サーボ(S)またはコン
ティニュアス AF サーボ(C)に設定され、シャッターボタ
ンが半押しされたとき
• シャッターボタンを軽く半押しするか を押したままにし
て(カスタムセッティングの AE/AF ロックが AF 作動設定さ
れている場合(5-2 ページ参照)ピント合わせを行っている
とき
予測駆動フォーカスとは、カメラが動いている被写体の速度を
分析し、シャッターがきれる時点での被写体の位置を予測しな
がらピントを合わせます。
シングル AF サーボでは、ピン トが合う前から動いている被写
体に対して予測駆動フォーカス が作動して、被写体が静止し
た時点でピントがロックされます。
コンティニュアス AF サーボでは、ピントを合わせる過程で被
写体が動き出しても、予測駆動フォーカスが作動し、被写体が
静止してもピントがロックされません。